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借金からの解放のすすめ [依存症]

日本全国を飛び回っている時に相談される内容として意外に多かったのが
借金のお話でした。
私がコンサルする相手は四十代以上の年齢の方々が主でしたから、
普通に考えると親の世代の方々です。
特に多いのが友人間の貸し借りで、貸した人がお金を返してもらえないという趣旨のものでした。
ほとんどの場合強く言うと相手との仲が気まずくなると言えないでいます。
中には、申し込みが後を断たないというケースも見られます。
明らかに相手よりは年下に見えるであろう私が経験として申し上げられるのは、
友人相手に貸す場合はあげたつもりにならないと付き合いは続きませんということでした。
もちろん例外はあります。
私は過去友人に貸したケースで、
本気で私との関係を大切にしてきちんと返済をしてくれた友人もいます。
この相手とはそれまで以上の深いつながりを築くことができました。
けれど、他の友人は、私の人生から自らフェイドアウトしていきました。

私の体験としての借金の最大の問題を抱えていたのは自分の親でした。

私の母は典型的な愛しすぎる人でした。
父が次から次へとつくるお金の問題を自分が肩代わりしてしまっていたために、
父はますます自分の力で返すというバランスを見失ってしまったのです。
私が二十歳になる前に母は他界しました。
頼る相手がいなくなった父は次の相手として姉にすがり付こうとしたので、
姉は早々に嫁いで行きました。
自然父は残された相手である私への依存が始まったのです。
始まりは、時々でした。そして、こういう時期には返そうという努力も見られます。
しかし、完済せずに次の借金をつくりますます私への負担が大きくなるのです。
私は当時漫画家を目指していたので作品を描く時間の確保のためと、
父の依存に歯止めをかけるためにフルタイムで働くことは避けていました。
こうして日々戦い続けていたのですが、ある日とうとう腰痛に倒れました。
その腰痛も先天性の骨格形成不全から来るものなので西洋医学では不治であることを宣告され、
何時終わるともわからない闘病生活が始まりました。
寝たきりの一年間には優しく協力してくれていた父も、何年も家で過ごす私の姿に業を煮やし、
生活費を一切入れなくなりました。
再び作った借金返済に自分の稼ぎをすべて充ててしまったのです。
寝たきりからは解放されたといっても痛みのある身体で、外に働きに行くことは難しい状態です。
そんな無収入の相手に当然のように依存してくる姿には、
当時は憎しみ以外の何も見つけられませんでした。

流石に見かねた姉が自分の嫁ぎ先への同居を提案してくれました。
当時姉の家はご主人のお祖父様とお母様、
そして姉夫婦と幼稚園児になったばかりの姪という、
上は百を迎えようとしていて下はまだ五歳にもならない四世代同居の家でしたので、
猫の手も欲しい状態でした。
姉の家で暮らす間に私はオーラソーマの資格を取り、
癒しの道へと進み始め
自分も愛しすぎる人の典型であることに気づき、
真の自立へと向かい始めたのです。

一人暮らしを始め、何とか父との生活で始まり膨らんだ借金を返済しようとしましたが、
できなかったので自己破産しました。
この決断の前にはもちろん何人かの専門家のアドバイスをいただいておりますが、
全員の意見が一致しておりました。
私は自己破産をしたことでもう二度と父がつくる借金の保証人にされることはないと
法的に保障されたことで安心したことが大きな癒しでした。
父の名誉のためにいいますが、これは実際にはされたことはないのです。
けれども、肉親ですし、同姓ですから連絡先には度々されたので、
サラ金の「あなたが変わりに返済してよ。」という要請を断り続ける対応を
姉も私もかなり長いこと続けていたのです。

父は一人で暮らすようになってから時間はかかったものの
何とか自分で自分の生活に金銭的責任を持つことを学びつつあります。
これには、依存先である姉と私が父の申し出と
上記のようなサラ金の要請に絶対に首を縦に振らない努力も必要でした。

確かに貸せるお金のあるうちは断るよりも貸してしまう方が楽です。
しかし、そこには相手との対等な関係性は望めません。
恋人や友達関係に上下関係をつくりますか?
始まりは、困っている相手を助けてあげようという優しさかもしれませんが、
生半可な気持ちで貸すと、相手を失うことにもなりかねません。
又、仕事で出会った多くの場合はご主人に内緒というケースでしたが、
これこそが間違いの元なのです。
最も腹を割って正直に向き合わなければならない相手である、
人生と生活のパートナーである相手こそ1番に話し合うべき人なのです。
そもそも、貸そうとしているそのお金は、誰が稼いだものなのでしょうか。

又、私のように親子関係なら元々対等ではないでしょう。
しかし、親であっても子であっても無条件に与えてしまっていいものでしょうか。
親子の場合は友達よりも借金がなぁなぁになってなし崩しに終わることが一番多い関係です。
私が全国を飛び回っている間に感じたのは、親の世代が壊れているという思いでした。
物のない時代に育った人達は、その反動として
物を豊かに与えられれば相手が幸せであると思いがちです。
自分にも満たされなかった時代を埋めるかのように物を与えているケースも見受けられます。
こういう行為が借金に繋がっている人もいらっしゃいました。

どのケースであってもここには依存と自立というグラウンディングの問題が隠されているのです。
 
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