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鬼 [親と子の葛藤]

過去、父と二人で暮らしていた十年、私の心は修羅の中にあった。
姉夫婦の好意で、父のもとを離れて姉の所へ居候暮らししていても、
父と関われば、瞬く間に修羅に引き戻される。

何故なのか、まだ癒しが足りないのかと、
自問することが数年続いていましたが、
実は本当に私達親子の間には「鬼」が関与していたのです。


当時、所属する化粧品会社の営業所は定期的な勉強会を開いていました。
何かの話の流れで、父のことが話題になり、
私はみんなに話しているうちに心の中は積もりに積もった怒りと憎悪が
沸き上がっていました。
ふと、気づくと私の正面に座っていた友人が顔面蒼白になっています。
そして、その視線は、私の斜め後ろあたりに釘付けになっていました。

これに気づいた私は心の平静を取り戻し、
正面に座る私よりも霊が見えるこの友人に何が見えたのかを訊ねました。
私と友人は、二人とも霊感があることを隠していないので、
会社でも普通にこういうことを話していました。

友人曰く、「鬼がいた。」という。
私が父に向ける怒りや憎悪のパワーを糧にしているようで、
私が冷静になった途端消えたから、
私にではなく父に憑いていると思われるという。

これを聞いて私は、父について妙に納得してしまいました。
腑に落ちたと言ってもいいでしょう。

父は家族が傷つくほどのワーカーホーリックで部下からの人望はあるのに、
学歴が低いということだけでは説明がつかない、キャリアの低い、
運のない人生を歩んできた人だったのです。
それでも、本人の性格は至って楽天的な人です。
ですから、あのマイナス方向に向かう運気の悪さが不自然な人でした。
けれども、鬼というマイナスの気の存在が憑いていたのなら、
あの人の人生につきまとっていた運の無さが理解できるのです。

物事がうまくいかないことで生じる関わる人間の怒りや悲しみ、その果ての憎悪といった
感情的負のエネルギーを糧にする存在が憑いていて、これをかき立てているのなら、
何をやってもうまくいかないし、家族とも険悪になって当然です。


天の配剤でしょうか、
この鬼の存在が明確になった日より5日後に、
父が庭木の手入れのために姉の家に来る約束になっていましたので、
これをチャンスに父からこの鬼をひき剥がすことにしました。

何故かは説明がつかないのですが、
これは問題なくできる確信がありました。
ただ、剥がした後の鬼は、幽霊と違い私が使役することはできないのもわかっていました。
鬼が神であるからではなく、
私は女性なのに絶望的に「陰」の気がないためです。
だからこそ「陽」の気の存在である龍には好かれるのですけれど。
対処としては、鬼退治に絶大な力を神田明神で借り受け、この処理に当たりました。

父から剥がした鬼は、私が神田明神に行けるまでの3日間、
私の肉体の中に封じておきました。
他の誰かに憑いてしまわないための応急処置ですが、
この間、私の顔が盤若の形相に段々近づいていくのを姉も目撃しています。


鬼がいなくなった後の父は、やはり少しだけ性格も変わり、
娘二人を恐喝するような言動はなくなりました。
思慮が足りないのは治らないため、
相変わらず給料全額無くすといったことはしているようですが、
私達にお金の無心をすることもなくなりました。


親と子の葛藤を積極的に駆り立てる存在のあるがために、
私達親子はながく憎しみあっていたという珍しいケースかもしれません。



タグ:鬼は神様
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ikuko

私の家にももしかしたら「鬼」がいるのかも、と
一瞬思いました。
親子というか血縁関係って難しいです。。ほんと。
by ikuko (2013-08-07 12:49) 

A・ラファエル

ikukoさん

確かに血縁関係は、難しいものがあります。
まずは何処かでこれまでの感情を一掃し、リセツットしないと、
しんどさが募るばかりです。
過去の感情が解消されていないと、
落ち着いて新しいところから相手と向き合うことはできませんから・・・。
by A・ラファエル (2013-08-07 13:57) 

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