我が家にはよくエホバの人が訪ねてきます。
何故なのかは私には解からない。
豪邸が立ち並ぶ地区に建つ古めかしいアパートに住んでいるのは不幸そうにみえるのかしら。
私はここの古さが気に入っているんですけれど・・・ねぇ?
人の価値観は様々だから何が幸福で何が不幸かは外からではわからない。
この価値観に意外に大きな影響を与えているのが宗教だと思うのです。

最近のことですが、姉のところに父が「相談があるんだ。」と、訪ねてきました。
姉は過去の経験から又性懲りもなく借金の申し出かと構えていたそうですが、
「そんな心配することじゃない。ただある書類にサインが欲しいだけだ。」と父は笑った。
差し出された書類は献体についての同意書だったのです。
翌日「あなたにもサインが欲しいんだけど・・・。」といって連絡してきた姉は笑い転げていました。
実は姉は十代の頃、アイバンクに登録しようとして母に同意を求めたところ、
「まぁ、そんなことしたら死んだ後で何も見えなくなっちゃうじゃない。
順番からいって私が先に死ぬというのに、
あなたはあちらに行った時どうやって私を探すつもりなの?」
こういわれてしまって母の説得を諦めたという。
母の育った家はお寺でした。

その母もすでに鬼籍に入って二十年以上が経過している。
お盆に御霊が帰ってくることがなくなって久しい。

私は自分で感知する諸々の事柄があったから、既存の宗教の教えには添えなかった。
母のことがあるので仏教系の新興宗教に入ったこともあったけれど、
数年で抜けています。
その後、縁あって神道系のことを学ぶことになり、
自主的に動くことはあっても何も資格はない。
この意味では私は信仰はあるけれど宗教は持たないということになるのかもしれない。
私は永遠の命の可能性を見ています。
けれど、これは他者に押し付けるような事柄ではないのです。

姉と私は父が出した答えに喜んで同意しています。