私の好きな小説「陰陽師」は、主人公2人が延々酒を飲みながら
この「呪(しゅ)」について語り合っているお話です。
その内容をここで書いてしまうと、文字をいくら費やしても終わらなくなってしまいますので、
今回はこの世で最も簡単に皆が使っている呪である名前についてのお話です。

人間が生まれ、名づけがされる。
これによって、その人間は生涯つけられた名前の呪にかかっているといえるのです。
かけられた呪が良いものならいいけれど、
時にはそれは不幸も招く。

例えば、自分につけられた名前を本人が好きになれなかった時、
この人は名前を呼ばれるたびに不快な思いにとらわれるでしょう。
反対に、本人がその名前を好きであるなら、
名前を呼ばれるたびに良い気持ちになれるでしょう。

名前とは自己と他を区別するもの
自分という個性の確立に役立っているのです。

名前がどうしても好きになれない人は、
芸名とかの別の名前を持てる仕事に就くのもありと私は考えます。
呼ばれるたびに不快な思いをするなんて、絶対人生損してますから。

でもどうして嫌なのか、何故嫌になったのかの原体験にまつわる感情が
癒されれば、嫌いだった名前も好きになることが出来るのです。

自分の名前にどのような「呪」をかけるかは、あなた次第なのです。