日本におけるパワーストーンブームの始まりは、多分この石でしょう。
古代エジプト文明は、とりわけこの石を珍重しているので、この石に惹かれる人というのは、
エジプトを経験している人と言ってもいいかもしれません。

石の力として言われるものに眉唾物が多いのが、この石です。
石が白っぽくなってきたら持ち主が危険であるとか、
持ち主の危険を石が回避したのだとかいわれますが、これは嘘です。

ラピスという石は、鉱物的には複合石で、何種類かの石が混ざり合って固まっています。
その金色に光る部分は、パイライト
青い部分は、ソーダライトとラズライト
白い部分はハウライトという感じにです。
ですので、混ざり方次第で比重も変わります。
触って軽いものは、ソーダライトやハウライトの部分が多いもの。
宝石としては白い部分が少なくラズライトの多いものが良質のラピスとされています。


ラピスは、天然のそのままだと照りのない石なので、
宝飾加工されたものは照りを出すために油をしみこませて売られているものが、一般的です。
この油が抜けてしまった時にあたかも色が抜けた、白っぽくなった印象になるのです。
つまり、よく言われるこの石の効果は、物理現象に他ならないのです。
それを持ち主の身代わりになったというのは・・・。


ラピスラズリの癒しの効果は、いらなくなった精神的パターンを一掃するというものです。
けれども、元々あるものを変えるとかいうかたちではありません。
使われなくなったいらないものを手放すことをサポートするくらいであって、
世に歌われるほど強力な石ではないというのが、私の感想なのです。



写真右側の平たいのは、油をしみこませていないもの。
リングのは、宝飾加工されたもの。
左側は、目視では区別がなかなかつかないラズライトの原石です。