金曜日、父の入院手術等の騒ぎで行きそびれていた美容室に行き、
髪を切って貰った後目白に向かって春画展を見てきました。

行ってみてびっくり、すごい混雑です。
そして客層が幅広く、R18指定になっているので、
下は大学生の集団から、お年寄りまで老若男女、それも国籍の幅も広くが、
茶化しながら見る者や、真剣に見る者と、
やはり普通の絵画展とは雰囲気が違っていました。

展示されていたのは予想に反して、大名家秘蔵の直筆画のものも多くあり、
私は「春画」の定義を書き換えられる体験となりました。
狩野派の手によるものなどは、やはり芸術の域に達していると思います。

こうしたものは、それぞれの家で大事に扱われていたのがよくわかる美品です。
一種の性教育のための教科書的なものであったようです。
版画として瓦版のように世に出回っていたという認識しかなかった私は、
やはりあれほどの直筆画を見ることが出来ると思わず、
これにも感動しましたが、
個人的に衝撃だったのは、歌川国定で、
表現者としての追及の姿勢と超絶技巧に鳥肌が立つとともに、
意識を揺さぶられる思いでした。

大名家からの量産しないことを前提とした創作の仕方に、
その発想の自由さと意欲に感動しました。
もともと、そこに描かれている着物の柄見たさで行った私だったのですが、
この意味でも最高の表現を見られたと思います。

着物の織り柄を紙につくる凹凸によって表現されているのです。
それと通常の版画で出す柄とを重ねているこれを寸分の狂いなく重ねているのには、
神業とも思ってしまいます。


私にとっては、ひたすら美術品にしか見えない物でしたが、
春画が見る人に与えるものは、幅広く、
いろいろな意味で観る人達の意識を揺さぶるチャレンジになると思います。