私の住むアパートのお隣さんは庭師さんです。
ちょっと狭いとも思えるお庭には数種類の木が生えています。
その中でひときわ大きく立派なのが写真の白木蓮です。

私はここに越してきてからこの木蓮の花を毎年とても楽しみにするようになりました。
昨年はちょうど満開を迎えるという時に、お隣のおじさんと話をすることが出来ました。
木蓮は桜よりも花の寿命がはかなく、
天気がよければ一週間くらい楽しめるけれど、
開花してからの強風や雨が降ればそれでもう花が散ってしまうのだというのです。
確かに私の記憶とその話は重なります。
あっという間に見頃が過ぎて散り始めてしまうのです。
折りしも天気予報ではその日の夜から崩れ、荒れることを伝えていました。

私はミクシィにこの話と携帯でその日に撮った木蓮の写真をアップしました。
写真の木蓮とおじさんの話に心動かされたマイミクさん達から、
多くの祈りの言葉が届きました。
残念ながら天候は最悪の崩れで、春の嵐が吹き荒れました。
翌日も1日外に出るのも躊躇う激しい雨が降り続けたのです。
やっと雨が上がった翌々日の朝、私は思わず外へ木蓮の木を見に行きました。

木蓮はなんと、少しの花を散らすだけにとどまっていました。


おじさんと私と私のマイミク数名の祈りに答えて
木蓮は嵐に花を落とさぬように頑張ってくれたのです。

マイミクさんの多くは私の家に来た事もありません。
ただ、おじさんとこの木の為に祈った想いが空間を超えて
この木蓮には届いていたのです。


今年も見事な花をこの白木蓮はつけてくれました。
道行く人も思わず足を止め、見上げる光景を目にします。
私は、なるべく良い天気が続いてくれることを祈っています。