近年、当たり前の様に「前世」を知りたいと言う人々が増えてきました。
これはある意味では喜ばしいことではあります。
十年前には危ない人とか言われていた台詞が、一般認識に浸透したことを表しているからです。
ヒーリングの現場では、前世はあることが前提です。
特にオーラソーマではセレクトボトルで、前世がある程度特定できる場合もあります。
しかし、そのことそのものを取り扱うことはありません。
癒しのポイントは常に『今、ここ』だからです。

『今、ここ』の大切さは理解できていても、
じゃあ私のような前世に原因があるパターンはどうなるのと、
前世への興味が捨てられない私は、ヒプノ(退行催眠)も受けています。
でも、ヒプノの有資格者でもある知人に聞くと、
「普通は何回かセッションをして、徐々に今の人生をランダムに遡っていって、
それで癒されない時に前世に移行する。」ものだと言われました。
つまり、望んだからといっていきなり前世の癒しになるとは限らないのです
幾つかの文献を読むと、前世に行く前にバーストラウマの解消が鍵になると書かれています。

バーストラウマは、出生時に受けたトラウマということで
現世と前世の境目であるとされていますが、すべての人が持っています。
しかし、これが小さいものあれば、
その人の人生の苦痛が大きなものであることはないと言われています。
逆にバーストラウマが大きい人の人生はとても生き難いものとなりやすいのです。
典型的な例が、出生時にへその緒が首に巻き付いていたケースです。
この人は、身体的には喉にトラブルが出やすく、風邪をひけば1番に喉に症状が来るでしょう。
場合によっては呼吸器関連の症状も伴うかもしれません。
心情的には常に緊張状態にあり、掌はいつもじっとりと汗で濡れているかもしれません。
バーストラウマを解消するまでこの人の人生には
リラックスした状態というものを得るのがとても難しくなるのです。
バーストラウマを解消するだけで非常に多くの人が生きるパワーを取り戻しています。

そのバーストラウマもヒプノでいきなり辿り着くケースは少なく、
その前にインナーチャイルドがどどーんと控えています。

インナーチャイルドもまた誰の心の中にも必ずいる「傷ついた子供」です。
子供は傷つきその体験から何かを学び、それによって大人になるので、
無事大人になれたということは、あなたの中にも絶対チャイルドがいると思って間違いありません。
このチャイルドが学んで身につけたものが曲者なんです。
これは子供の視点から見たものなので真実とは限らないからです。
このチャイルドの学びはまさにケースバイケースで、感情的な反応のこともあれば、
生きるうえでの観念のこともあります。
私の例をご紹介しましょう。

私の近年の自己課題は「受け取ること」でした。
私個人を知っている人なら体力的なことはともかくとして、
私がいかにパワフルな人間かを皆様ご存知でしょう。
「こんなにパワーが大きい自分が扱えるエネルギーが小さいなんておかしい!」
ここで言う扱えるエネルギーとはすなわちお金のことです。
長年低賃金で働くことに疑問を感じ、友人からも「なんでまだそうなの」と責められ、
自分でもいい加減あまりに変と思い始めていました。
普通は癒されれば豊かになっていくものなんです。
マインドでは受け取ることをオーケーとしている。
感情的な受け取ることへのトラウマは、残っていたとしてもそれは大きな金額についての話で
日常レベルのものではない。豊かさを受け取るセルフワークもしている。
けれど、入ってこない。
一体何がこんなに受け取りを拒否しているの?
不振に思った私はお金についてセルフヒプノを行ないました。
ヒプノに入ってすぐに「わーい、久しぶりー。」と抱きついてくる私のインナーチャイルドの代表に、
お金についてどう思っているのか尋ねてみました。チャイルドはあっけらかんと、
「家は貧乏だから働かないと駄目なんだよね。」
と、答えてくれたのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここか!

つまり、私がこれまで取り組んでいたお金に対するエクササイズは、
顕在意識を変える方法であり、
インナーチャイルドは潜在意識(無意識ともいう)を掌っている部分を表しています。
意識している私は豊かになろうとしていたけれども、
無意識の私は貧乏でいることを選択し続けていたのです。
これでは無意識に受け取ることを拒否しているはずです。

インナーチャイルドは、実は心の中に何人かいます。
それは、傷つく体験は一度きりではないからです。
私達の成長の段階に伴ったインナーチャイルドが何人もいるので、
何回でもインナーチャイルドを癒す必要があるのです。



★2008-04-27の再掲載