ブロガーさんの紹介していた本が面白そうだったので、図書館で借りてきました。

ハラスメントは連鎖する
「しつけ」「教育」という呪縛       安冨歩 本條晴一郎   光文社新書

言いにくいことをなかなかはっきりと書いてくれているので読んでいて小気味いいです。

著者達は、世の中に蔓延する「愛という名のしつけ」は、ハラスメントであるという。
条件つきの愛は、愛ではなくハラスメントであると言い切る。
ハラスメントを受けて育った者は、無意識に他者に対してハラスメントを行ってしまう。
だからハラスメントは連鎖する性質をもつ。
親と子という関係性において行われたハラスメントは、
ハラスメントを受けた者でさえそれと気がつかないケースが多い。
その仕組みについてはここで私が書くよりも本書をご一読願いたい。

では、どうすればこのハラスメントの連鎖を断ち切ることが出来るのか。
それは当事者が自分に向けられている行為が愛ではなくハラスメントであると、
気づくことから始まる。
愛という名のもとにあなたが行っている行為はハラスメントなのだという主張を持って、
真実の愛を獲得することで連鎖は切れる。

しかし、とても多くのクライアントがこの真実の愛の獲得に躓くのです。
何故なら彼らは自分を愛そうとしなかった親から、愛を得ようとするからです。

親なのだから子供への愛があって当たり前と思うかもしれませんが、
こんなのは都合のいい幻想に過ぎません。
愛が真実そこにあったならあなたが指摘する前から親はあなたを愛しているでしょう。
ハラスメントを行っている親そのものが実は、
ハラスメントを受けてきた愛を知らない存在なのです。
知らないものを教えることが出来ないのと同じで、持ってないものを与えることは出来ません。


私は、幸にも自然が残る環境で動物と一緒に生きてくることが出来ました。
親が私に条件つきの愛しか与えてくれなくても、
動物達が、植物達が、無条件の愛を教えてくれました。
セラピストになった今は、様々なヒーリングツールでも無条件の愛の獲得は可能と考えてます。
寧ろ、人間から得ようとする方が間違いとさえ感じるのです。
何故なら人間は真実を指摘された時ほど激しい抵抗をみせ、
反撃すら行ってくるからです。

これではハラスメントの応酬になってしまいます。

是非、確実で穏やかな方法で自己への愛を獲得することを始めて欲しいと願います。