先日行ってきました貴船神社は、「鉄輪伝説」の在るところです。
「鉄輪伝説」・・・それは、丑の刻参りの始まりといわれるものです。

しかし、貴船の地は、清浄で清々しい場所でした。
こちらで恋の神様として人気が高いのは、石長姫です。
この方、私の対極に位置する人で気性はやっぱり、さっぱり系です。
神話では醜女で親元に戻されたことになっていますが、
実際はきれいな方です。
当然ですよね、絶世の美女と姉妹である人が醜女のあろうはずもありません。
この神話の隠された部分にあるのは、
真実のカップリングなのです。

親の命令で木花咲夜姫と二人で嫁ぎ出された姉妹ですが、
私達の真実の相手はただ1人だけです。
一夫多妻制だったとしてもこの真理は変わりありません。
この話は夫なる男性のニニギノミコトは、
神の子孫であるからより真理に近いところにいることをも表しているのです。

1人親元に帰された石長姫は、ニニギノミコトを恨んでいたでしょうか。
娘二人を贈った自分の気持ちを解ってもらえなかったと、
親は激怒して呪詛をかけたことになっていますが、
石長姫の気持ちは記されてはおりません。


自分を愛してくれない男なら、怨んでもいいのでしょうか。
愛する男を奪った女性なら怨んで当然なのでしょうか。
自分の欲しいものを手にするためには、
他者を傷つけることを厭わない心根がここにはあります。

ここには自分に目を向ける姿勢がまったく存在していません。
丑の刻参りの恰好だって、頭に五徳を逆さまにして乗せ、
そこに蝋燭を立てて単衣の白装束という、正気でする姿ではありません。
なのに其れを自分の目的のためにはしてしまう、
我を失った姿がそこにあるのです。


負の感情が湧いてしまうのは人間なら当たり前です。
でも自分のその部分とどう付き合うのかを決めるのは、
あなた自身の努力です。

感情は水の流れの如し、
現れてくるものをただ、流すこともできるのです。
流れを止めて留めてしまえば、
水は腐っていきます。
腐った水は毒と一緒です。

自分の在り方次第で感情も、
自分も他者も害する毒ともなりえるものなのです。