皆様はまじめな話として、ご自分の親と、
「性」についてのお話をどのくらいしたことがあるのでしょうか。

私と母の場合、母は私が19才の春に他界しておりますが、
母が性交を「あんなこと好きになれない」と、忌避していたのを覚えています。
また、私からせがんで出産の時の様子を聞き出してもいます。
これは、私の生まれた年に「森永砒素ミルク事件」が、起きていたことに絡み、
母がほとんど母乳が出なかったから、粉ミルク育ちなのを知っていたので、
高校生の時にどんな様子だったのか、飲んでいたのは他社メーカーのものだったのかを、
訊ねたからでした。

ところが、4つ年上で、24才で結婚した姉は、
結婚前に母に他界されていた関係か、それまでは本人が興味を持たなかったようで、
我が家は難産の家系であることも知らず、
40時間もかけた自身の分娩後に、私から母も破水が早くて難産だったと聞き、
「もっと、早く知りたかった。」と、脱力していました。
出産に関わるこうした傾向は、母親の体質を受け継ぐのが普通にあることだからです。

つわりの時に、姉の時はアイスクリームが食べたくなっていたが、
私の時はラーメンだったというのも聞かされています。

私の麺好きはここから始まっているのかもしれませんね。

私は生来の障害の為に、母と二人病院の待合室で何時間も過ごすことが多かったせいか、
母からいろんな話しを聞いて育ちました。

ですから、母が女学生の頃から、「結婚して子供は女の子二人」と、
決めていたことも知っています。
こんなことを考えていた母だから、
子作りの過程は嫌でも我慢できたわけです。


対して父とは異性ということもありますし、もともと仲が悪かったこともあり、
この方面で母とのように深い話はできません。
けれども、母が他界し、一年後には姉が嫁いで父と二人十年一緒に暮らしたので、
それなりに、父の「性」という側面も見えています。
私が調布市で行われた映画祭で、
マリリン・モンロー主演の映画を3本まとめて観てきたと言ったら、
「なんだ!ポルノばかりじゃないか!?」
と、口走るあたりに父がどれほど奥手な人間なのかが窺えます。
モンローはセクシーではありますが、ポルノ女優ではありません。

このように、自分の父と母がそれぞれにあまり性的に開放されていなかったことを、
私は学んだのです。
これは、もちろん時代背景も関係はしていると、理解しています。


私達は自分の両親から様々なものを学びます。
それは知識的なことよりも、観念や潜在意識に残るものを多く、
学んでいると言えるでしょう。
例えば、両親が離婚を経験しているとその子供も離婚率が高くなることは、
統計データにも表れています。
これは、夫婦の在り方を子供が親から学んでいることを、
はっきり表している事象とも言えます。

ご自分の両親が、どのような夫婦としての在り方、
性との向き合い方をしているのかを知ることは、
自分の無意識にある「性」への態度を学ぶことにつながります。
これを知ることは、異性との関係性のヒーリングに繋がっていくのです。