人生の終わりにどんな曲を聴きたいですか?
数え切れないほど、死にかけたことのある私ですが、
この問を見た時に思いつく曲名はありませんでした。
でも、だからこそ私は生き続けていられるのかもしれません。
私は未だ自分が死ぬときのヴィジョンを得られないのです。

きっと、こんな風だろうとか、こんなのもいいとかさえ浮かばない。

生きていて、やるべきことはまだまだ浮かんでくる毎日なのです。


さて、表題の「ラスト・ソング」は、ホスピスで音楽療法士として活動した、
佐藤由美子さんと出会った人々との、ノン・フィクションです。
読んだら、絶対泣けると確信しながら読み始めた私でしたが、
最初のエピソードを読み終わる頃には、
私は具合が悪くなり、背骨の痛みに椅子に座っているのも苦痛になりました。
この数年私が悩まされているのは、この症状でした。
朝から比較的状態もよかったはずなのに、
どうしてこんな・・・と、思った時に気づいたのです。
この本を読み出した途端、母の闘病時のあれこれを思い出していたことに。
母の死は、すでに32年前のことですので、
現在ほど、医療の世界も人間の意識に目を向けられていませんでした。
まだ、本人に癌を告知するか否かで、もめていた頃なのです。
母の場合は、癌の告知はされましたが、再発については告知されなかったケースでした。
そして、家族のなかでは一番母寄りの人間であり、
最も感情的な人間であるという父と姉の判断で、
私には母の詳しい病状を話されなかったまま、
母の死を迎えたという痛い思い出があります。
一言でいうなら、後悔いっぱいの看病の日々だったのです。

ホスピスでの穏やかな最後を迎えた人々とは、対照的と言ってもいい最後でした。

その自分の過去の悲しみに、ハートに残る傷が思い出されることで、
痛みが活性化したのです。

これに気づいた私は、自分が引っかかっている
ひとつひとつのことに、丁寧にヒーリングを行いました。
これをしてやっと私はこの本を読み進め、最後まで読むことが可能になったのです。

この背骨の痛みは、出ると動くこともままならなくなってしまうので、
ここ数年私は外出も控えることが多かったのです。
位置的にハートであることと、背骨の痛みとして出るので、
身体の背面、すなわち過去に関する何かが原因とは思っていましたが、
未解決のハートの傷が原因だったとは・・・!

この気付きを得られれば、今後は例え何処で出ても、もう恐れる必要はありません。
ハートの傷に集中すればいいだけなのですから。
ヴェールが薄くなって、
オーラの傷が身体にダイレクトに出るからこその症状だったのです。


「ラスト・ソング」は、音楽療法士として著者の佐藤由美子さんが出会った患者と、
その家族との音楽を通しての癒しの活動の記録です。
その内容にはセラピストとして大いに共感するものがあります。
これについては、次の記事で詳しく書きましょう。