近年、クリスタルヒーリングというものがある程度概念として定着し、
宝石の販売に不可価値をつけているのを見かけるようになりました。

しかし、私はこれには疑問を感じてしまいます。
というのも、そうしたものは大きさの問題や、宝飾のデザイン性の問題、
宝石への化学処理の問題を
無視しているからです。


まず大きさですが、ヒーリング効果を期待するなら5ct以上が望ましい。
では5ctとはどのくらいかといいますと、
キャラット(carat)は宝石の質量を表す単位で、0.2g=1キャラットと呼ばれ、
1ctと表記されます。
写真の50円玉の穴にはめたブリリアントカットの大きさのダイヤモンドが
ほぼ1ctです。
石の種類によって重さは異なりますので、
軽い石なら1ctでも大きくなります。
上側にあるヘソナイトガーネットは、5ctです。

ネットで宝石として売り出されている石達は、
写真で見るために大きさの実感が惑わされやすいところがあります。
キャラットで大きさを表示されても、
かなり石に詳しくなければ、すぐには大きさの実感は掴めないでしょうし、
小柄な日本人は指輪に大きな石をつけるのは下品に思われがちなので、
1ct以下の石が使われることは普通のことです。
なので1ctない石の指輪に対して、
「これはOOという石なので、これを身につければこういう効果がある。」
と、さも効果が期待できるような書き方をされていると、
私であっても「本当なの?」と、突っ込みたくなるのです。

そして、宝飾デザイン性の問題ですが、
石の効果を期待するなら、石は肌に直接触れることが望ましい。
加えて石留めのために接着などしようものならこの薬剤の影響で石は働かなくなる。
石の輝きに影響がなくとも、エネルギー的には問題ないとは言えないのです。

なによりも宝石業界というのは、見た目の美しさに価値をおいているため、
石に加熱処理やプラスチックや油などの含浸処理をして、
もともとの姿よりもキレイに仕上げることが当たり前に行われている。
カットや研磨でさえも石にダメージを残すことがあるというのに、
このような化学処理をされた石は、石としてのパワーは失われてしまう。

ゆえに宝石には、石としてのヒーリングパワーを望むのは難しいのです。


ただ、石の持つ色の光としてのパワーや
プラシーボ効果はあるかもしれません。
また、ものすごくエネルギーに敏感な人なら石を活性化させられるかもしれない。
つまりは、その人次第の部分はあるのです。