私は以前、集中的にヒプノセラピーのセッションを受けていたことがあります。
自宅のオレンジコンビネーションボトルが一斉にゴールドにアルケミーした時です。
これを目にした時、失っている記憶を取り戻す時が来たと思いました。


セッションを受けて一番気になっていた記憶障害を取り戻した後のある日のセッションで、
「今日はインナーチャイルドに会いに行きましょう。」ということになり、
いつものように誘導が始まったのですが、
暗闇の奧にあるその家にいる小さい私に出会った時ファシリテーターは、
「その子があなたのインナーチャイルドかどうか尋ねてください。」といいます。
それで訊いてみるとあっさりと
「私はペルソナで本物じゃないよ。」といわれました。
私は驚きながらも、
「じゃあ本物の私のインナーチャイルドはどこにいるの?」
と重ねて尋ねると、
「ドアを出て右側の暗闇の奧で穴を掘り続けているよ。」
と教えられました。
それで、言われたとおりにドアを出て右手に向かってみるとそこは迷路でした。

迷路の中を何とか進んでいくと一番奧では、
この迷路を作り続けているもうひとりの小さい自分がいました。
家のなかで会ったときの自分よりもさらに幼い自分でした。
何をしているのか尋ねると振り向きもせずに「迷路を進めている」というから、
何故こんなものを作っているのかと訊くと、
「怖いから、自分の身を守るために作っている。」との答えでした。
ファシリテーターに促された私が
「怖いものなんてないよ、これからは私が守るよ」と、
いうとやっとそれまで掘り続けた作業を止めて振り向いた小さな私は、
本当は泣いていたのでした。
それで私はその子をハグして
「今まで放って置いてゴメンね」と謝って小さい自分の気持ちを落ち着かせてから、
抱っこしたまま家に戻って、その子をベッドに横たえて、
眠りにつくまで語り続けました。
安心して眠りに落ちたのを見届けてから、家を出て現実の自分に私は戻ってきました。


このように時に心は私達自身さえも欺こうとします。
これを見破ったのは、ファシリテーターが経験豊かなセラピストだからできたことです。
今時は自分で手軽に出来る瞑想誘導のCDもありますが、
誰もが模範的にチャイルドにすぐ会えるわけではないのです。

どのような場合でも有資格者がいる分野であるというのは、
専門的知識と訓練と経験がクライアントをよりよき癒やしへ導くことを示唆しています。