嬉しいNewSが入ってきました。
トイ・プードルが警察犬の検定に合格して、嘱託警察犬になったというものです。
スタンダード・プードルと違い小さいですから、
身体の大きさに合わせた活躍しかできないでしょうけれど、
生まれついた高い能力が活かせるのはいいことだと思います。

私が警察犬協会と関わっていたのは、いまから25年も前のこと。
愛犬のジャーマン・シェパードと共に競技会にも出場していました。
この犬の次に飼ったのがアイコンになっているベルジャン・シェパードです。
生国ベルギーでは警察犬として使われている種類ですが、
日本は当時警察犬種として認めた種類以外には警察犬としての活躍はありえない世界でした。
当然競技会への参加も出来なかったのです。


しかし、犬の能力というのは種類で固定されたものではなく、
かなりな個体差があるのです。
知能の高さもしかり、嗅覚能力もです。
どのような種として生まれていようとも、持って生まれた能力を活かせずに
一生を送らねばならないとしたら、
それは人種差別に等しきものがあると私は思うのです。

この垣根を越える例が出てきたというのは、
人間の意識が進化したことの表れとも見えます。

嘱託警察犬というのは、東京以外の道府県で採用されている制度で、
一般の飼い主が飼っている犬を試験によって能力を見、
採用に足る能力のある犬に事件発生の時、捜査協力して貰うのです。
ですから、この制度を支えているのは日常の安全を守ることを大切にする気持ちのある
普通の飼い主様達なのです。
健全な社会を守るために日夜縁の下の力持ちをしてくれているとも言えるでしょう。
飼い主が犬の種類に惑わされずにその適正を見抜いた飼育をしなければ、
嘱託警察犬の認定は取れるものではありません。
いくら犬の能力が高くったって犬が自ら認定試験の申請はできませんから。

東京都には警視庁があり、直轄の警察犬や警備犬が存在します。
ですから、嘱託警察犬制度がありません。


犬は人間と関わる生き方を歴史と共に歩んできた生き物です。
それだけに人間の犬に対する意識がその関係性に如実に表れています。
新しい関係が生み出せるようになったということは、
明らかに人間の犬に対する意識の変化を現しているのです。
人によっては今回のは小さなNewSに思えるかもしれませんが、
私からは人間と犬の関係性が癒されてきたことによる社会現象と見えるのです。