過去の傷ついた自分を癒そうとして、何故か皆様がよくはまる間違いがあります。
子供の頃には話せなかった傷ついた出来事を親に話して、
自分を癒そうとする方が、大勢いらっしゃいます。

けれどこの試みはほとんどが失敗に終わるのです。

「今更そんなこと言われてもしょうがない。」
「私が悪いと言いたいの?」等と、
反撃を受けて癒そうとしていたのにさらに傷口をえぐってしまう結果を得てしまうのです。

なかなか「気づいてあげられなくてごめんなさい。」等という理想の親の反応を
引き出すことにはならないのです。


私自身はインナー・チャイルドの癒しをする時に、
自分の親に直接アプローチしたものは1つもありません。
何故なら、母親はすでに他界していたからです。
ですから、直接アプローチのしようがありませんでした。
けれども、相手がここにいなくても癒せることを学ぶことが出来ました。
そんなわけで、父とも直接アプローチは何もしていないのです。
反対に父のインナー・チャイルドを癒す遠隔アプローチはしました。
家族を愛しているのにそれが表現されない父自身が、
両親に見向きもされなかった愛されない子供だったからです。

6人兄弟の3男でありながら、長男次男の若死にのために、
大人になっていきなり繰り上げ長男扱いされて、
家長の責だけ押しつけられた人ですから、
旨みも何も感じることの無かったことを知っていたからです。

母は、すでに他界していたから、癒しは必要はありませんでしたが、
生後半年で両親から引き離されて伯父夫婦に育てられた人ですから、
無条件の愛というものを知らない人だったことを理解しています。
ですから、ただ私が母をゆるすことだけが、大事なのです。


親と向き合う時に、あなたが「愛されたい」という動機から向き合ってしまうと、
愛していないと責めていることと同じになってしまうのです。
責められたら、相手は自分を守ろうとします。
その結果が上に書いたような反応を引き出してしまうのです。

インナー・チャイルドの癒しをする時に大切なのは、
愛されていることを実感することではなく、
あなたがその体験のなかでどのように愛するかなのです。

あなたが愛するところから向き合えば、
鏡の法則が働いて、
相手からも愛することを引き出せるからです。