ここ数日、区内の図書館からかき集めて読んでいるのが、「彩雲国物語」です。
この話、20冊くらいあるなかに出てくる女性キャラの人数が少ないです。
つまり、圧倒的に男性キャラばかりなので、
色々なタイプの男性キャラが出てきます。

王様タイプから、副官、庶民までよりどりみどりです。
お話に惹きつけられて読んでいたので、
反対にどの人物に自分の心がなびくのかと思っていたら、
意外や意外、「うーさま」でした。

爺もいっぱい出てくるし、なかには仙人もいるしと、
本当によりどりみどりなのに、
私の心を思いっきり揺さぶってくれたのは、「うーさま」でした。

うーさまこと羽羽というキャラは、外見モフモフ系の小さな爺様です。
けしてヴィジュアル的にかっこいいとは見えないのですが、
その生き様、愛し方が恰好いいのです。
自分の最も大切な相手、愛する女性を護り、支えるために、
そばにいることを止めてまで、その人の人生を支える。
時には命をかけても相手を諫めもするし、守りつづけたのです。

タイトルには、馬鹿と書いていますが、
頭の回転はよい人です。

なのに何故馬鹿と書いたかというと、
権力の世界で生きる男達の言う馬鹿だからです。
女を自分の出世の道具にしない人だから。

前世、政治の中枢近くにばかり生まれた私は、
女の私を己の野心、権力的な夢を叶えるために手に入れようとする
男達と関わらざるを得ませんでした。
これを回避するには、斎宮や尼になって非婚を貫くしかないけれども、
立場によってはこれさえも許されないのが、女性でした。

ですから、相手を利用しない離れていても護り支えることを貫いた
「うーさま」の生き様が心に触れるのです。


踏みにじられてもいいなんて、
自虐嗜好は私には全くないので、
女を軽視するまたは女を女としてしか見ない性格の人物には、
私はどうも心が動かないのでした。


こんな風に、もしかすると誰しも異性の好みには、
前世の影響が出ているものかもしれません。