SSブログ

らぶ・れたぁ [ヒーリング]

2013060820060000.jpg
久しぶりに恋文が書きたくなりました。
といっても、本の作者への恋文なので別名をファン・レターといいます。
以前の私は本を読んで感動したあとは、作者に手紙を書きました。
それは、作家さんの時もあればお医者さんの時もあり、当然のごとくマンガ家さんのこともありました。

このうち、作家さんから返事が来たことはありません。
マンガ家さんは、一部の方からイラスト入りの年賀状をもらったことがあります。
お医者さんは二人の人に出したことがあり、
一方からはとても丁寧なお返事があり、
私の手紙のコピーをご自分の病院の掲示板に貼らせてもらったというお言葉をいただき、
もう一方からは直接お電話をいただいたという、実に有り難い体験があります。
このお二人のおかげで私は西洋医学の医師に対する不信感を癒されたと言っても
過言ではありません。

今日、手紙を書きたい気分になったのは、夢枕 獏さんです。
初めて読んだのはキマイラシリーズで20才になったばかりの頃だったように思います。
いくつかの作品を読んで最も惚れ込んだのは、九十九乱藏シリーズでした。
その後、この陰陽師シリーズが始まり、晴明と博雅が酒酌み交わしながら、
殿中に出る幽霊について今日もお元気だったと話しているところで、
この作品に惚れました。

幽霊という死せる存在に元氣などというものがあるはずもなく、
その件の幽霊もぶつぶつと無念を唱え続けている陰気な存在なのです。
でも、害意が在るわけでもないからほっとくというスタンスが、
私から見て逆に現実的なのです。


現実の世界で私は、陰陽師によく似た仕事をしています。
医師ではないけれども、時に不調の原因を探り、
心のしこりを溶かす、人生が好転するようサポートする。
そして時に、これらの原因に「霊」がいることもあり、
これに対処する。
ただ、私の場合は術を駆使して霊と向き合うことはないとは言えますが・・・・。

色という形で五行を操り、時には星を読み、花や石を使う。
ほとんど変わらない仕事をしていると、時々思うのです。


書き出しから26年が経過したというこの「陰陽師シリーズ」で、
私が一番感動したのは、過去記事でも多分紹介した「浄藏恋始末」です。
読んだときには何故あんなに泣けたかよくわからなかったけれど、
今なら、わかります。
浄藏が自分の立場やプライドも関係なく、
死を目前にした恋しい人のそばにいることを希う姿に感動して、泣けたのです。


男の人は、基本男としてのプライドが高い生き物だと知ってはいますが、
その矜持を手放したときに実は女性からは格好良く見え、愛しく思えるようになるのです。


ちなみに、前世は女ばかりの私は「陰陽師」という職業に就いたことは、ありません。
女にしか生まれていない私は神に仕える以外の仕事につくことは、
この国では永く実現しなかったのです。
(飯炊き女とか女郎とかの仕事はありましたが、私はこういう仕事についたことはないので・・・。)

この意味で、現代の人生は実に楽しいものであると言えます。
結婚を強要されることもなく、していなくても非難もされず、
自分の意志で職業も住まいも選ぶことが出来る、
実に豊かな時代を私達は生きているのです。


平安の闇はすでに世の中から消えて、
煌々とした電気が街を照らすようにはなっていますが、
人間の心のなかの闇とそこに巣くう鬼は今も現実に存在し続けています。
だからこそ、「陰陽師」の世界は現代にもひろく浸透しているのではないでしょうか。


(力業で霊に対処することはないと書いてアップしたら、
突っ込みが入りましたので訂正しました。(^^;))6/9
タグ:陰陽師
nice!(15)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 15

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0