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短い命の意味 [人生のハンデ]

出生前診断というものをご存知でしょうか。
母体の妊娠期間中にこの検査を行なうことで、胎児に異常がないかどうかを調べる検査です。
異常が認められ妊娠期間中に治療を施すことで、
その後の出産や子供の成長に役立つ面もありますが、
二分脊椎症のようにほとんどが堕胎に流れているという面も併せ持っています。
その是非についてはここでは問いません。
私がこれを発信しようと思ったのは、
私のように手術も受けないで生き延びたケースもあることを知って欲しいだけだからです。

二分脊椎症はイギリスのある地方で集中して生まれていることが知られています。
この為、ヨーロッパで盛んに研究された時期がありました。
その研究者の一人の名前を貰ったローバー基準というのが存在し、これに照らし合わせると、
子供の頃の私は手術の甲斐なく死ぬであろう、
自然淘汰を待たれる命と呼ばれる範疇に入っていた為に、
両親は手術を受けることを断念したと聞いています。

私の出生は出産に関わる医療の進歩の狭間に位置しています。
少し前には、生まれたばかりの赤子に治療処置を施すことがなく、死産に流れるケースの時期と、
上記の出生前診断が行なわれるようになる前という期間にして数年程度の時期です。
私はこの事実を知った時に『何てすごい確率なの!』との驚きを隠せませんでした。
しかし、世界では私のような幸運に預かることなく
生まれる前に命の燈し火を消すことになっている子供たちが多くいます。
それは、私のように二分脊椎症のケースのみではもちろんありません。
このような選択を余儀なくされた方々や、予想外にお子様を失う経験をされた方々に、
是非知って欲しいのはやはり魂の永遠性です。

実は私自身も両親に経済的なことが理由で一度堕胎されたことがあるのを知っています。
そうですしつこい性格の私はもう一度同じ両親の下に生まれることを選択したのです。
本当に魂は、生まれる前に自分のこの世での学びや使命をまっとうできる両親を選んでいるのです
それは、おなかの中にいる間だけでも同じです。
必要な経験をするために魂は、短い人生をも選択しているのです。

以前にお会いしたクライアントに自分の過失で子供を死なせてしまったと悲しんでいるケースがありました。
自分だけ生き延びたことへの罪悪感でいっぱいになっていらっしゃるから、
自分が生きていることをそれでも喜んでくれている周りの人々の気持ちも受け取れなくなっていました。

どのような生にも意味があります。
現在はわからないように見える出来事の中にも意味と神聖なる法則の予定調和が存在しています。
起こっている出来事の中には必ずポジティブな意味もネガティブな意味も見つけられます。
格言に在る通り、人生に起こる出来事そのものには幸不幸はなく、
私達が勝手に意味づけをしているのです。

この意味では、私がこだわっているのも変なことかもしれません。
しかし、こうして生き延びたこと、この身体で生きることの意味を知るにつけ、考えるにつけ、
特定の条件下にある命だけ生まれなくしていることは、不自然に思えてならないのです。
この身体に生まれるには、この身体でなければ学べないものがあるからです。
そのチャンスを、他者の判断で奪い続けてよいものなのでしょうか。
死亡率が高くても、結局の所本人が生きるか死ぬかを選んでいるのですから、
必ず死ぬというものでもないでしょう。
生きてさえいれば命は癒され、生き続ける機会があるのですから。


★2008-03-28の再掲載
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PylorI

もし、ご両親が堕胎していなければ…
健康なA・ラファエルさんが生まれたのでしょうか…
by PylorI (2010-10-11 04:09) 

A・ラファエル

PylorIさん

その可能性はなかったと思います。
私にはこの身体で生まれてくるべきカルマが、
両親には過去世からの「障害児を育てる」カルマが、
それぞれにあったからです。
by A・ラファエル (2010-10-11 07:44) 

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